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風が強く、雨がちな日だった。

学会発表などが近づき、昨日はTEM観察、今日はSEM観察を行った。両方とも電子顕微鏡である。とりあえず載せる図はきれいなものをというこだわりもある。TEMは、フィルムの現像があって面倒だが、よほどサンプルの作成に失敗しなければ、くっきりとした6万倍が保証されている。この6万倍というのはTEMにしてはたいした倍率ではないが、それは使っている機種が古いためである。ただ、試料交換などが手早くできるため、いろいろなものを次々と見るのに適している。一方、毎回どうもストレスが溜まるのが、SEMである。なぜストレスが溜まるのかというと、試料によってよく見えるものと、全然見えないものがあるためだ。FE-SEMでは、純金属など導電性がよいサンプルは10万倍くらい見えたりするが、酸化物になると、3万倍に合わせるのも苦労する。結局、自分の調整がダメで見えないのか、サンプルのせいなのかよくわからない。しばらく頑張ってピントを合わせようとするのだが、随分やっても合わないときに初めて、「どうもこのサンプルはこのくらいまでしかみえないようだ」とわかる。また、自分の使っているFE-SEMは、確かに高性能っぽいが、操作性がいまいちである。LV-SEMがマウスで操作するのに対し、FEはつまみをぐりぐり回す。しかも、ピント以外にもいろいろと調整がある。だいたい、この手の調整つまみは通常、「粗調整」と「精密調整」の2つのつまみがあって、最初は「粗調整」つまみでだいたいあわせた後、「精密調整」で微妙に合わせる。だが、FE-SEMに関しては、つまみが「精密調整」しかないので、ものすごくずれている場合は、つまみを激しく回さなければならない。手が疲れるだけではなく、たまにつまみが壊れて使えなくなったりする。なんでこういう作りにしたのかなぁと思う。その点、LV-SEMは感動的で、性能的には劣るが、恐らくFE-SEMよりも最近の機種で、性能よりも汎用性と操作性を重視したつくりになっている。マウスの右を押しながらだと「粗調整」、左で「精密調整」になっていて、恐ろしく合わせやすい上、こんなことしなくても、「一発ピントあわせ&その他の値あわせ」ボタンですべて自動であわせてくれて、これがまたよく合うようにできている。分析装置は、性能だけではなく、操作などのアプリケーションも重要だなぁと思う。

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