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第18回「ゲームを実際作るとき」

ゲームを作れるようになる

1.限界を知る

マイクロワールドで作れるゲームには限界があります。しかも、最近のゲームは複雑になってきていて、とても似たようなものを作ることはできません。個人でゲームを作る場合は、「絵が得意なので絵で勝負する」とか、「今までにない斬新なアイディアを導入する」ことが必要です。他のゲームのまねはしないほうがよいです。そして、最も陥りやすいのが、「具体性のない構想がどんどん膨らむこと」です。実際、ゲームを作っていると、あれもしたい、これもしたいと、構想がどんどん膨らんでいきますが、実際なかなか構想どおりにはいきません。とにかく完成させることを目標にしましょう。

2.具体的にどう作るのか

ゲームを作るとき、アイディアを紙に書いておいたほうがよいです。あまり細かいジャンルにこだわらないほうがよいかもしれません。そして、まず基本のラインを作ります。例えば、アクションゲームで、敵が8体出て、画面内を動き回るものを作るとしたら、最初から8体作らずに、1体だけ作っていきます。とにかく、最小限、簡単な流れを作ることが大切です。そのあとに、いろいろと肉付けをしていけばよいのですから。あくまでも欲張らず、作り上げていきます。

3.効果的な演出

ゲームをいっそう引き立てるには、いったいどうしたらよいのでしょうか。はっきり言って、ゲームでは「絵」よりも「音楽」や「リズム感」が大切になってきます。ちょっとした効果音や、場面ごとに音楽があるだけで、ゲームはかなり違ってきます。しかし効果音はロードにすこし時間がかかるので、こまめに使わないほうがよいです。そして、説明や文章がよくまとまっていて短いことがリズム感につながり、文章がだらだらと長いよりも引き立ちます。

4.アクションゲームの構築

アクションゲームは、マイクロワールドに「もしぶつかったか」ということばがあるので、とてもつくりやすいです。ですが、ジャンプをするといった、重力が関係するようなものはつくるのが難しいです。アクションゲームを作るときは、まず登場するかめを配置するプログラムを作ります。つぎに、それを動かすプログラムを作り、なんらかのあたり判定をつけます。最後に、タイマーやスコアなどのオプションをつけて完成です。

5.パズルゲームの構築

パズルといえば主に正方形のマスを入れ替えて絵を完成させるものなので、絵を入れ替えるプログラムをつくります。次に、もとになる写真や絵を取り込み、うまく正方形に切り分けて別々に形にします。そして、ばらばらにするプログラムを作ります。最後に、完成できたかを判定するプログラムを作ります。

5.シミュレーションゲームの構築

具体的には、育成ゲームのたぐいがこれに当たります。とにかく変数をたくさん使います。変数をうまく管理しましょう。次に、1日や1ターンといったサイクルを作り、イベントの判定をつくります。イベントはたくさんあったほうがおもしろいです。最後にエンディングをつけます。

6.壁にぶちあたる

ゲームを作っていると、もうどうしようもない問題や、どこが原因かわからないエラーが起こって、イライラしたり、ゲーム制作の意欲を失ってしまうことがあります。しかし、この手の問題は、あせることなく、じっくりと考えてみることで解決できることがあります。私の例だと、まだマイクロワールドではなかった頃、変数の計算ができなくてかなり苦労しました。「なまえは "HP :HP + 1」だけのことが、できなくて困ったのです。あと、キーで選択肢をつくったり、文章の中に変数を入れるために「つづける」を作ったり、いろいろと壁はあったけど、なんとか切れぬけることができました。

7.意欲がなくなる

人それぞれですが、一度ゲームを作りたいと思うと、3日くらいはバリバリと基本的な流れを作ったり、いろいろとしますが、プログラムも中盤にさしかかり、単純作業やバランスの調整作業ばかりになってくると、飽きてきたり、違うゲームの制作をしたいと思ったりします。そういったときは、一旦ゲーム制作自体をやめたり、違うゲームを作ることをお勧めします。そのうちまた作りかけのゲームの続きを作りたいと思うときがきます。締め切りなどはないのですから、あせらずにゲームづくりをしましょう。

8.最後の調整


完成した後に、難易度が高くないか、変なエラーが発生することはないか、操作の説明は十分かなどを確認します。制作者はもう何度も自分のゲームをやっているため知らないうちにゲームが上達していて、簡単に感じることがありますが、始めてプレイする人は難しすぎるといったことがあります。
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