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2009年10月15日(木)

観察をする

曇りがちで時折雨が降っていた。

今日は試料の表面観察。SEM(走査型電子顕微鏡)のほかに、SPM(走査型プローブ顕微鏡)というのも使ってみる。SEMは、一度に視野全体の像が得られるが、SPMのほうは針が少しずつ走査してやっと像になるので、時間がかかる。なので、SPMはたまに様子を見に行く以外は放置で、SEMの操作をするということをやってみた。SPMは自分の研究室でもあまり使っていないので、いろいろと試行錯誤してやっているが、最近は少しまともに使えるようになってきてうれしい。立体的な像が得られ、高さなどを測定できるところがSEMと違う。今度新しくレーザー走査顕微鏡が来るらしい。これは超高分解能とまではいかないものの、雰囲気制御が不要で、簡単に観察できて、立体的な像が得られるので便利そうである。

やや肌寒い日だった。

表面の微細観察のため、走査型プローブ顕微鏡というものを使った。これはとても小さな針で表面をなぞって像を得る顕微鏡だ。原子間力顕微鏡(AFM)だとか、走査型トンネル顕微鏡(STM)なども似たようなものなので呼び方がわかりにくいが、とりあえずSPMが全体の総称という感じである。この針が小判型の数mmの板に細い線が見えるくらいのもので、これをピンセットでつまんでセットする。当然その板がひっくり返ったりしたらもう終わりである。で、またこの針が高くて、1つ4000円くらいしたりする。20個セットだと8万円とかである。海外メーカーだと安いものもあり、なんとかいろいろ探して安くて入り数の少ないものを購入。大事なので慎重にセットする。昔のものだと、針を観察試料にアプローチさせる再に針を折ることがあったらしいが、今回自分が使う機種は新しくて、そのアプローチが全自動なのでラクである。業者の説明によると、新幹線が自分に迫ってきて、先端が自分に少し触れた瞬間に停止して、10メートル後退する、みたいな精度でアプローチさせるらしい。なんだかすごいなぁ。まぁ使い方としては若干限定的ではあるが、電子顕微鏡では帯電して撮りにくいような試料をそれなりに撮影できたのでよかった。走査型レーザー顕微鏡などもそうだが、この手の顕微鏡は3次元的な情報が得られるので楽しい。試料表面の形状を立体的に見た像なども作成できる。あと、スライスさせて内部を立体的に見れるような顕微鏡もある。透過型電子顕微鏡なども3次元でできるものが出ているようだが、走査型電子顕微鏡でも3次元表示してくれると楽しいのだが。と思って調べてみると、存在はするようだ。うーむ考えることは同じか。しかしまぁ一般的に表面の凹凸の高さ方向の情報が知りたければ断面を観察すればよいわけだし、3D表示も案外、使い方は限られるかもしれない。

風が強く、雨がちな日だった。

学会発表などが近づき、昨日はTEM観察、今日はSEM観察を行った。両方とも電子顕微鏡である。とりあえず載せる図はきれいなものをというこだわりもある。TEMは、フィルムの現像があって面倒だが、よほどサンプルの作成に失敗しなければ、くっきりとした6万倍が保証されている。この6万倍というのはTEMにしてはたいした倍率ではないが、それは使っている機種が古いためである。ただ、試料交換などが手早くできるため、いろいろなものを次々と見るのに適している。一方、毎回どうもストレスが溜まるのが、SEMである。なぜストレスが溜まるのかというと、試料によってよく見えるものと、全然見えないものがあるためだ。FE-SEMでは、純金属など導電性がよいサンプルは10万倍くらい見えたりするが、酸化物になると、3万倍に合わせるのも苦労する。結局、自分の調整がダメで見えないのか、サンプルのせいなのかよくわからない。しばらく頑張ってピントを合わせようとするのだが、随分やっても合わないときに初めて、「どうもこのサンプルはこのくらいまでしかみえないようだ」とわかる。また、自分の使っているFE-SEMは、確かに高性能っぽいが、操作性がいまいちである。LV-SEMがマウスで操作するのに対し、FEはつまみをぐりぐり回す。しかも、ピント以外にもいろいろと調整がある。だいたい、この手の調整つまみは通常、「粗調整」と「精密調整」の2つのつまみがあって、最初は「粗調整」つまみでだいたいあわせた後、「精密調整」で微妙に合わせる。だが、FE-SEMに関しては、つまみが「精密調整」しかないので、ものすごくずれている場合は、つまみを激しく回さなければならない。手が疲れるだけではなく、たまにつまみが壊れて使えなくなったりする。なんでこういう作りにしたのかなぁと思う。その点、LV-SEMは感動的で、性能的には劣るが、恐らくFE-SEMよりも最近の機種で、性能よりも汎用性と操作性を重視したつくりになっている。マウスの右を押しながらだと「粗調整」、左で「精密調整」になっていて、恐ろしく合わせやすい上、こんなことしなくても、「一発ピントあわせ&その他の値あわせ」ボタンですべて自動であわせてくれて、これがまたよく合うようにできている。分析装置は、性能だけではなく、操作などのアプリケーションも重要だなぁと思う。