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2009年12月15日(火)

STEMを使う

かなり冷え込んでうっすら積もった雪で路面がつるつる。

一気に冬景色になった。路面がかなり滑りやすいので、危険である。むしろ、もう少し雪が積もっていれば転んでもクッション的に和らげられてよさそうだが、雪がないので滑ったら怪我しそうである。

今日は朝からSTEMというものを利用しに行った。これは日本語では走査透過電子顕微鏡というものだ。まぁ、なんかすごい顕微鏡である。球面収差などの補正によりビームを絞れるとか、高感度・高分解観察ができるらしい。カメラなどでも収差がどうのこうのと問題にしたりする。まぁ、専門ではないので詳しくはわからないが、光の場合は凹レンズと凸レンズを組み合わせてうまく補正するそうだが、電子線の場合は、磁場をどっち向きにかけても凸レンズにしかならないため、レンズの組み合わせで補正できず、収差が発生するらしい。この辺の顕微鏡の仕組みなどは、ほぼ物理学の領域なので難しい。とりあえずSTEMの試料ホルダーなどは、TEMとまったく同じなので、TEM試料が入れられて便利であった。また、画像保存がフィルムではなく電子データだし、蛍光板ではなくモニターを見ながら手元のコントローラーで操作するので、この辺はSEMに近い。観察モードとして、SEM像モードとTEM像モードがあり、簡単に切り替えられるほか、Z-コントラストとも呼ばれるHAADF像モードもあり、これが大変素晴らしい。原子番号Zの2乗に比例したコントラストの像が得られるため、高分子の中に金属微粒子が入っているみたいな場合では、金属微粒子がとても明るくくっきりと見える。これがただのTEMだと、高分子の影に邪魔をされてくっきり見えないところである。うーむ、ただもしかすると、普通のTEMでも暗視野像で特定の回折を選べばコントラストがつくのかもしれない。SEMではCOMP像が組成像などと呼ばれて、組成によるコントラストをつけることができる。あと、厳密に軸調整してやることで、格子像という縞模様の撮影もできる。これも汎用TEMだとなかなか難しくて、映っていたとしても、フィルムをうまく現像して、それをトレース台にのせてルーペで見ると、「ああ、縞模様っぽいの見えた」って程度。さらにこれをかなり高性能なスキャナで時間をかけて読み込んで、重いファイルを画像処理してきれいにしてようやくできるという感じ。それが画面で確認してできるので、一度に電子データとして得られるとは素晴らしい。というわけで、微粒子観察には役立つ装置だった。

しかし、STEMを「ステム」と呼んでしまうと、走査型トンネル顕微鏡(STM)もステムと呼ぶので紛らわしい気がするのだが・・・。

2009年12月07日(月)

たくさん現像

朝は雪が少し積もったが、夕方には大分なくなった。

今日は講義とTEMフィルムの現像。別の人に教えながらやる。暗い現像室に一人というのは寂しいので、もう一人いると助かる。現像するフィルムもたくさんあったので、2人で仕上げた。感光時間なども大分わかってきて、今までのように、現像しすぎて真っ黒などということは少なくなった。最近のTEMで撮ったフィルムには、スケールやサンプル名も印字されており、ディフラクションを撮ったらカメラ長は入ってくるし、大変ありがたい。現像したら、直ちに高画質でスキャン。ホコリがついたり、劣化する前にさっさとデータ化する。もちろん、手袋をしてフィルムには触る。まぁ、それ以前に現像時にさんざんふちを触っているのだが・・・。現像室にある、あの「竹バサミ」にいまいち慣れず、すくえないし、落とすしで結局手で現像してしまっている。ちょこちょこ指先を洗っているつもりだが、さすがに指先がつるつるすべすべしている気がする。まぁそんなわけでスキャンしたら、あとはしまっておく。まわりにフィルムを扱っている人がいないのでどう保管していいのかわからないが、とりあえず袋に入れた状態でハガキファイルに入れて、背景として白い紙をはさんでいる。フィルムは透明だが、こうすると透かさなくてもある程度わかる。最近は、ハガキよりもひとまわり大きいA6サイズのファイルを利用。こちらのほうが袋を折らずに入れられてよい。で、そのファイルごとジップロックに入れて、乾燥剤も入れて暗所に保管。これで完璧なはず。まぁ本当は真空デシケーターとかに入れるとすごそうだが、なかなかなぁ。

2009年11月30日(月)

汎用TEMを使う

どんよりと曇って、雨も少し降った。

今まで使っていたしょぼいTEMから、もう少し上の、いわゆる普通のTEMを使った。こちらは、技術職員の方に試料の出し入れなどをお願いする。細かな軸調整などは職員の方にやっていただけるので、自分は場所を選んで撮るだけでよい。今までは20万倍が最高、実用は6万倍という感じだったが、今日使ったものは最大で100万倍まで拡大できてすごい。足のペダルで傾けるとか、対物絞りや制限視野絞りをまわして入れるなど、基本的な構成は今までのものと同じだった。ただ、技術の方がいるのでなんとなく緊張した。ちょっと怖そうな感じなのでますます緊張する。対物絞りを入れたとき、中央のスポットがどこかに行ってしまった時は結構焦ったが、まぁそれほど怒られずに済んだ。今後はこちらに慣れていこう。